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ばあちゃんが風邪をひいた。 [【掃き溜めに、一葉歌。】のアーカイブ]

風邪、とタイトルには書いたが、実際にはインフルエンザだった。
母親からのメールにそう書かれていたのを見たとき、私はとても心配だったけれどお見舞いには行けなかった。私も風邪をひいていたのだ。祖母は家の中でも隔離されて伏せていたという。私は伝染るのが怖くてお見舞いに行けなかったのだ。

だから、この話は祖母がもうだいぶ良くなってから聞いた。

「寝ている間にね、一生のことが走馬燈のように回ったよ。」
祖母はインフルエンザの薬としてタミフルを処方されていた。そのせいなのかどうかはわからないが、祖母はその間、ちょっと言動がおかしかったらしい(これは母から聞いた話)。「一晩中、ずっと誰かと話しているようだった。」

銀座宝塚みて、その後あんみつ食べて…どんどん記憶が溢れてくるみたいだった。
 そういう話したらTさんから『奥さん、これで小説一本書けますね!』なんて言われたよ。」
そのTさんは、祖母に代わって、自らが客であるにもかかわらずお茶を煎れていたらしい。
「『お茶おかわりする?』って聞いて、M子さんが『濃い方がいい!』って言うから『じゃあ、茶葉替えようか』ってぱかって茶筒開けてさぁ。それ、うちのなんだから!(笑)」

母方の叔母さんのお義母さんからもお見舞いの電話があったらしい。
「私の声聞いたら、元気出るんじゃないかね!?」
叔母さんと叔母さんのお義母さんは正直うまくいってない。当然、祖母ともうまくいってない。
電話に祖母が出なくていいように母が食い止めようとしているが、この様子。
自分の励ましで元気になる、と言って聞かない。この確信。この自信。私なら言えない。
でもここまで食い下がるのは、好敵手が落ちていては自分も張り合いがないというライバル同士特有の絆あってこそなのではないだろうか。

「Hさんはポストに薬入れていってくれた。」
Hさんというのは、近所の町医者である。私も小さい頃からお世話になっている。私が大学生ぐらいの頃だったか。年一ペースで胃炎で訪れる私に、神経性のものではないかと安定剤も「お守りにして持ってなさい」と渡してくれたお医者さんだ。自分ですら、それ以前に訪れた自分の様子など忘れてかけていた。一人一人の患者をきちんと診てくれる。
お母さんが一日家にいなかった日に、わざわざ電話かけてくれてね。それじゃあ、ポストに薬入れておくからって。そんなわざわざ悪いわ、って言ったんだけど、『すぐすぐ。ついでだから。』って言ってくれてね。」

「今回のことでみんな心配してくれて、ありがたいことだなぁ、って思ったよ。」

酷い目に遭っちゃったよ、と言いながら、祖母は久しぶりに実家を訪れた私を、笑顔で迎えてくれた。



*****
書いていることは祖母のことなのだけど、今日は母親への懺悔の意味を込めて家族のことを書きました。

他にも、男のヘルパーさんの筋肉質な腕にちょっと触ってみたくって「ちょっと触ってもいい?」と訊いたときの話を「男の肌だよ」とはにかみながら話す姿や、病状が落ち着いてから外に出たら次の日に筋肉痛になってしまってまったく動けなくてトイレにも寝るのにも困った、と言っていたときの姿が眼に焼き付いております。




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